導入事例や実績紹介のページを作っているのに、一覧ページ自体の検索順位がまったく上がらない。せっかく良い事例を蓄積しているのに、検索経由での流入につながっていない。小売事業者向けにEC制作・広告サービスを展開する企業のオウンドメディアでよく見かける課題です。
post_type_archive_title は、カスタム投稿タイプ(事例、実績、FAQなど)のアーカイブ(一覧)ページで、そのタイプ名を出力するために設計された関数です。地味な関数に見えますが、この出力を軸にタイトル設計をやり直すことで、一覧ページ自体を検索流入と信頼構築の両方に効かせることができます。
この記事では、post_type_archive_titleの技術仕様を正確に押さえたうえで、小売事業者に向けた事例・実績一覧ページのタイトル最適化、信頼構築コンテンツとしての設計、SEOとの両立方法を解説します。
事例・実績一覧ページのタイトル最適化が重要になる理由
小売事業者がEC制作会社や広告代理店を探すとき、多くの場合「実績」「導入事例」ページを重点的に確認します。ここは購買検討の後半で読まれる、コンバージョンに直結しやすいページです。にもかかわらず、一覧ページ自体は「実績一覧」「事例一覧」といった無機質なタイトルのまま放置されているケースが少なくありません。
検索エンジンから見た場合も、タイトルが具体性を欠くと、どのような知りたい内容に応えるページなのかが伝わりにくく、比較検討層の検索キーワードでの流入機会を逃してしまいます。
- 比較検討層が最も読み込むページなのに軽視されやすい
- 無機質なタイトルでは検索エンジンに内容が伝わりにくい
- 業種別・課題別の知りたい内容を拾えていない
- 信頼構築の要である事例が埋もれてしまう
post_type_archive_titleの役割を実務目線で理解する
post_type_archive_title は、カスタム投稿タイプのアーカイブページで、そのタイプに設定されたラベル名を出力する関数です。archive.php や archive-{投稿タイプ名}.php といったテンプレートファイルの中で使用するのが基本です。
// そのまま出力
post_type_archive_title();
// プレフィックス付きで出力
post_type_archive_title( '導入事例:' );
// フィルターフックでラベルをカスタマイズする
add_filter( 'post_type_archive_title', function( $title, $post_type ) {
if ( 'case_study' === $post_type ) {
return '小売事業者向け導入事例一覧';
}
return $title;
}, 10, 2 );
ポイントは、投稿タイプ登録時に設定したラベル名をそのまま使うのではなく、`post_type_archive_title` フィルターを使ってSEO・訴求目的のタイトル文言に上書きできるという点です。管理画面上の分かりやすさのためのラベルと、検索結果に表示すべき訴求力のあるタイトルは、必ずしも同じである必要はありません。
post_type_archive_titleを使う際の技術的な補足
archive.phpとarchive-{post_type}.phpの優先順位
WordPressのテンプレート階層では、カスタム投稿タイプ専用の `archive-{投稿タイプ名}.php` が存在すればそちらが優先され、なければ汎用の `archive.php` が使われます。post_type_archive_titleは両方のテンプレートで共通して使えるため、投稿タイプごとに個別テンプレートを持つかどうかに関わらず、タイトル出力のロジックを一本化できます。
複数のカスタム投稿タイプを横断してタイトルを制御する
事例(case_study)、FAQ(faq)、導入の流れ(flow)のように複数のカスタム投稿タイプを扱う場合、`post_type_archive_title` フィルターの中で `$post_type` 引数を条件分岐に使うことで、1つのフィルター関数内ですべての投稿タイプのタイトルを一元管理できます。ファイルが散らばらないため、タイトル文言を見直す際の作業箇所が明確になります。
パンくずリストとの連動
事例一覧ページのパンくずリストにも、post_type_archive_titleでカスタマイズした後のタイトルを反映させることで、ページタイトル・見出し・パンくずの表記を一貫させられます。パンくず側だけ投稿タイプ登録時の初期ラベルを参照していると、タイトルだけ変更してもパンくずが古い表記のまま残る事故が起きやすいため注意してください。
構造化データ(CollectionPage / ItemList)との関係
事例一覧ページに構造化データを実装する場合、name プロパティにはpost_type_archive_titleでカスタマイズした後の文言を使うようにします。フィルター適用前の初期ラベルをそのまま構造化データに使ってしまうと、画面表示と構造化データの内容が食い違い、検索エンジンに送るシグナルの一貫性が損なわれます。
実装・運用の進め方
ステップ1:現状タイトルを棚卸しする
事例・FAQ・導入の流れなど、カスタム投稿タイプのアーカイブページを洗い出し、現状のタイトル・URL・検索順位・流入数を一覧化します。特に「実績一覧」のような無機質なタイトルのページは優先度を上げて見直します。
ステップ2:対象読者・知りたい内容を明示したタイトルを設計する
業種名・課題名・検討材料(件数、比較可否)を組み合わせたタイトル文言を複数案作成し、社内でどの案が最も知りたい内容に応えられているかを検討します。
ステップ3:post_type_archive_titleフィルターで実装する
投稿タイプごとにタイトルを出し分けるフィルター関数を実装し、管理画面のラベルとは独立して公開用タイトルを管理できるようにします。
ステップ4:アーカイブページ冒頭の要約文・絞り込み導線を整備する
掲載件数、絞り込み方法(業種別・課題別)、代表事例へのリンクをページ冒頭に配置し、タイトルだけでなくページ本体の情報量も強化します。
ステップ5:他のカスタム投稿タイプとの整合を確認する
事例・FAQ・導入の流れなど、複数のアーカイブページのタイトルの型(語順・語尾・訴求要素の入れ方)を揃え、サイト全体としての一貫性を確認します。
社内で持つべき判断軸
- 事例一覧ページの検索順位・流入は現状どうなっているか
- 対象読者にとって知りたい内容に応えるタイトルになっているか
- 一覧ページから問い合わせへの導線は整備されているか
- 他のアーカイブページとタイトルの型が統一されているか
成果測定で見るべき指標
- 事例一覧ページの検索順位・表示回数・クリック率
- 一覧ページから個別事例への遷移率
- 一覧ページ経由の問い合わせ数
- 業種別・課題別の絞り込み利用率
運用イメージ(架空パターン)
例えば、EC制作・広告運用を手がける企業を仮に想定します。「実績一覧」という無機質なタイトルを「小売業界のEC制作・広告運用 導入事例一覧|業種別に比較できます」に変更し、あわせて業種別の絞り込み導線と件数表示を追加したとします。検索結果での見え方が具体的になり、比較検討中の読者からの流入と問い合わせが増える、という改善パターンが一般的に想定されます。これはあくまで仮の例です。
archive-{post_type}.phpを新しく作ると既存のタイトル出力は引き継がれますか
post_type_archive_titleの呼び出しをテンプレート内に記述していれば、専用テンプレートを新設してもタイトル出力のロジックはそのまま引き継げます。フィルターフック側の設定を変更する必要はありません。
構造化データのタイトルとpost_type_archive_titleの出力がズレていた場合、どちらを直すべきですか
ユーザーに表示される画面のタイトルを正としたうえで、構造化データ側をそれに合わせて修正するのが基本です。表示と構造化データが一致しているかを定期的に確認する運用にしておくと安全です。
よくある質問
投稿タイプのラベルとアーカイブタイトルは必ず一致させる必要がありますか
いいえ。管理画面用のラベルと、公開ページ向けのSEOタイトルは目的が異なるため、フィルターフックで分離して問題ありません。
事例が少ない場合でも一覧ページは作るべきですか
件数が少なくても、今後の蓄積を見据えて早めに整備しておくことをおすすめします。件数が増えるほど信頼構築コンテンツとしての価値が高まります。
業種別に一覧ページを分けたほうがよいですか
件数が一定以上あれば、業種別のカスタムタクソノミーで絞り込めるようにする方が、知りたい内容への対応とユーザー体験の両面で有利です。
アーカイブページの要約文はどの程度の長さが適切ですか
2〜3文程度で、掲載件数と絞り込み方法が伝わる内容が目安です。長すぎるとかえって読みにくくなります。
事例ページと通常のブログ記事は同じカテゴリで管理してよいですか
役割が異なるため、別のカスタム投稿タイプとして分離し、それぞれ独立したアーカイブページを持たせる方が管理しやすくなります。
事例一覧ページの改善は広告のランディングページ選定にも活きますか
事例一覧ページのタイトルと導線を整理しておくと、広告のリンク先候補としても活用しやすくなります。検索広告やSNS広告から比較検討層を誘導する際、整備済みの事例一覧をランディングページに使うことで、追加の制作コストを抑えながら訴求力の高いページへ誘導できます。
まとめ
post_type_archive_title は小さな関数ですが、事例・実績一覧ページのタイトル品質を見直す入口として有効です。
小売事業者向けのサービスサイトでは、事例一覧が信頼構築とコンバージョンの両方を担う重要なページです。タイトルと導線を一貫して設計することで、その効果を最大化できます。
投稿タイプごとのタイトルの型を揃え、フィルターフックで柔軟に運用することが、継続的な改善の鍵になります。

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